居抜き店舗活用法「居酒屋」
居酒屋を営んでいる飲食店店舗を居抜き店舗として活用する場合
次の2つの視点(ポイント)からお伝えいたします。
- 買う場合に気をつけるポイント
- 売る場合に気をつけるポイント
居抜き店舗で居酒屋が出てきた場合、是非参考にしてください。
Contents
居抜き店舗活用法「居酒屋」
飲食店の居抜き店舗で一番市場に出てくるのが居酒屋。
多い理由としてひとには飲食店業界で一番数の多い業態であることだけではなく、ラーメンやイタリアンの様に修業時代からのネットワーク・絆が太い業種ではないということもあるようです。
飲食店を閉店したいと考えた時に相談できる相手が同じ業界内にどれだけいるかという問題です。
当然数が多ければそのネットワークを通して店を引き継いでくれる方がすぐに見つかります。
しかしそのネットワークが弱ければ、原状回復をして閉店するか、不動産業者を介して市場に売りだすかどちらかの方法に頼ることになります。このあたりが居酒屋の居抜き店舗物件が市場に多い所以ではないかと思います。
さて、今回は意外と使い込まれた居抜き物件が多い居酒屋物件について、居抜き店舗として活用する際のチェックポイントと居抜き店舗として市場に出される方が気をつけておきたチェックポイントを考えてみたいと思います。
居酒屋業態で居抜き店舗を買う場合に気をつけるポイント
居酒屋の居抜きで気をつける「厨房の床」
居酒屋の厨房を数多く見てくるといくつかのパターンが出てきます。
一般的なタイプとしては、床に排水溝がありグレーチング(鉄もしくはアルミの蓋)が備え付けてあります。ザバッと水が流せます。
次に多いのが、床にすのこ(木製の踏み板)がひいてあり、その板の上で作業をするタイプです。これは厨房とホール(客席)を行き来することがおおい飲食店に見受けられます。いちいち足の裏を拭かなくて済みますから便利なようです。
同じことなのですが、すのこの代わりに段ボール紙を敷き詰めているお店もあります。どうやら毎日取り換えているようです。
最後に床にお水を流せない乾式床の居酒屋です。厨房の床が防水処理されていないためにそのような使用方法となっていますが、揚げものや焼き物メインの居酒屋でないと大変苦労すると思います。魚など調理にお水をふんだんに使うお店ではどうしても床が濡れてしまいます。また、掃除の面でも大変苦労されると思います。もし厨房で水が流せない居抜き物件を検討する場合は注意が必用です。
居酒屋の居抜きで気をつける「排気ダクト」
厨房にレンジフードは完備されているものの、換気扇は有圧扇でもなく、家庭用換気扇のチョット大きめの物がついているだけという居酒屋居抜き物件を見かけることがあります。この場合、どうしてもこの設備ではダメということではなく、居抜き物件で取得した後にどのようなお店にするのかで判断が分かれます。
このタイプの換気扇の弱点は風の強い日に現れます。換気扇の外側で風圧が強いと上手く煙を吐き出せないからです。また、サンマや焼き鳥など脂分が多い食材を扱う際に近隣から苦情が出ることがあります。もしそのようなメニューを予定されているなら、コストをかけてダクトを立ち上げるか、オイルフィルターや電気式のトリートメントなどの支出を覚悟すべきです。
居酒屋の居抜きで気をつける「グリストラップ」
ポイントは2つ
まずグリストラップがあるか無いか。ちゃんと清掃が行き届いているかどうかです。
そもそもグリストラップが無い場合はシンク下のスペースを潰して簡易型のグリストラップをつける必要が出てきます。もっともグリストラップが無ければ居酒屋は出来ないかと言うとそうではありません。一義的には、下水に直接脂分や調理で出た切カスなどが流れることで環境に良くないというものですが、それ以上に排水管の詰りを誘発します。もし、お客様が大勢来られている時に目詰まりを起こしたとするとお店の売上に大きな打撃となります。ここは必要な設備だと思ってください。
次の一つポイントはグリストラップがあるのに掃除をしていない場合。
多分悪臭の根源となっているはずです。そうなるともはやグリストラップの機能は果たしていません。またグリストラップの清掃は、水で流すわけにいかないので、専用の油を吸い取るスポンジなどで根気よく抜き取ってゆかないと綺麗になりません。清掃業者に頼めば平気で3万円はかかる作業です。
居酒屋の居抜きで気をつける「製氷機」
意外と盲点なのが製氷機です。席数やお客様の回転数により容量が変わってきます。居酒屋で平均的な容量は「席数×2㎏」が標準的ですが、ハイボールや酎ハイなど氷を多く使うメニューを想定しているとすればそこに備わっている製氷機で足りるのかチェックが必要です。
その心は、もし後から製氷機を大きいサイズに替えようとした際、スペースが足らずに置き場所に困ったということをよく聞くからです。
またこの氷に関していうと、一度氷が切れてしまうと20分程待たなければならなくなります。大丈夫だろうと言う過信は禁物です。
居酒屋業態で居抜き店舗を売る場合に気をつけるポイント
居酒屋を閉店する時に「殺虫殺鼠」に注意
これ業界用語で「さっちゅうさっそ」と読みます。要はゴキブリとネズミの駆除を意味する言葉です。まず、ゴキブリやネズミは突然発生するものではありません。また、すぐに駆除できるものでもありません。とは言え差し迫った店舗の売却を考えるとすれば、少なともゴキブリ対策として安易に噴霧式の駆除剤を使用するのではなく、時間をかけてシッカリと清掃を行いましょう。その過程で、ネズミが出入りしているであろう隙間などが見つかります。DIYショップなどで売られている、エアコンホースの目地を埋める目地材などで埋めてしまえば一定の効果は得られます。
厨房内にゴキブリ捕獲シートやネズミ駆除用の団子が並べられているより断然印象は良くなります。
居酒屋を閉店する時に「排水管」は必ずチェック
グリストランプの清掃の必要性は先に書いた通りですが、居抜きで居酒屋を売り出すにあたっては、排水管の清掃を行っているという情報は大きなプラスです。なにも高圧洗浄をする必要はありません。トーラーといってワイヤー式の簡易洗浄方法があります。コストも抑えられ人一人で作業が出来る為時間もかかりません。是非知り合いの清掃業者に問い合わせてみてください。
居酒屋を閉店する時に「空調フィルター」も確認すること
先日も連日の猛暑のなか空調機から水が落ちてくると問い合わせがありました。空調機は空気中の湿気を取り除きドレンパイプから屋外に流しています。このパイプが詰まっていない限り、本体から水が出るのはフィルターの詰り以外ありません。案の定清掃後は何事もなく空調機は運転しているそうです。フィルターが目詰まりを起こすと水がでるメカニズムは、本体が取り込む風量が少なくなっているのに、本来の風量に合わせた冷却能力を発揮することで、吹き出し口付近が結露することが原因です。同様にフィルターの目詰まりは、余計な電力や早期の故障の直接的な原因となります。売り出し前には必ず清掃を施し、空調説が十分機能していることをアピールしましょう。
居酒屋と言っても最近は差別化が進み、立ち飲みのような簡易な設備でOKな業態もあれば、生け簀などを完備した鮮度が売りの居酒屋までそれぞれです。となれば、飲食店居抜き店舗で何をしたいのかハッキリ決まっていまいと物件選びもままならないということなのです。つまりガスが何号必要なのか、水道の引き込みは何㎥必要か、電気容量はどこまでアップが必用なのかなどです。立地に魅了されてしまいよく吟味することなく契約してしまっては、後から思いのほかお金がかかってしまいます。そうならないよう注意したいものです。
まとめ:居抜き店舗活用法「居酒屋」
いかがでしたか? 「居酒屋」を居抜き店舗活用する方法
お店を始める時に、居抜き店舗として元居酒屋はたくさんでてきます。
物件検討の時は、ここにあるポイントをチェックしてください。
また、現在居酒屋を営まれている方でやむおえず閉店する場合も高く売る場合のポイントとしてチェックをしてください。