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決める前に飲食店閉店の相談だけでも可能か
飲食店を閉店する際に、原状回復工事を行い退去するのではなく、内装、設備、厨房機器類を第三者に売却もしくは引き継ぎが出来るかどうかを指します。
このことを一般的に居抜き店舗の造作売買だとか譲渡、店舗付属資産売買と呼びます。名前は異なりますが内容はどれも同じです。
飲食店の店主が居抜きの売買を望めば簡単に成立するかのような表現をネット上や不動産会社のホームページで見かけますがそんなに簡単なものではありません。
ここでは、居抜きで店舗付属資産の売却を検討なさっている方に向けて一番知りたい疑問にお答え致します。
このところ増える飲食店閉店相談
2018年2月、日本列島は日本海側を中心に大雪と低温に見舞われており、福井県では知事が除雪のため企業に休業を依頼する異例の事態になっています。そのような折農林水産省が農業ハウスや畜舎500棟を超える被害を発表しています。東京大田市場の卸値を見てみると、2月第一週のキャベツ、ホウレンソウ、ハクサイなどの葉物が前年同時期に比べ軒並み9割高から2倍もの高値で取引されていることがよくわかると思います。
さて、このような野菜の高騰は飲食店にも大きな影響が出始めています。このところ閉店の相談が急増しているのです。
また、今年に入り頂く相談にある傾向がみられます。これまで飲食店を閉店をすることを決心したうえでご連絡を頂くケースがほとんどであったのに比べ、このところの相談は閉店しようかどうしようか迷われているのか匿名の相談が増えています。多分話は聞いてみたいけれども電話することさえ躊躇されている方もまだまだ多いのではと考えております。
飲食店閉店匿名の相談の背景
閉店を考えていると知られたくない
既に飲食店を閉店したいとおっしゃる方の中にも閉店に関する情報管理を限定的に運用して欲しいと言うリクエストはあります。例えば、大家さんにはまだ伏せておいて欲しいというものだったり、広く募集を掛けてもらうのは問題ないのだが、近隣の商店街の方々には分らないようにして欲しいだとか様々です。最近の傾向で言えば、お店を今後どうしようかはっきりと決めておらずご自身だけで迷われているなかで情報収集と居抜きでの店舗付属資産の売買がどのようなものなのか勉強したいという色合いが濃く出ています。
飲食店閉店ご相談のキッカケ
今回の様に食材などの原材料の高騰が長引きそうな中で漠然とした不安から連絡されるケースは近年稀でした。どちらかと言えば、運転資金に不安があり、資金が尽きる前に居抜きで店舗を売却することでなんとかしたいというものが多くありました。そればかりではありません。年齢とともに気力が萎えてしまい閉店したいというものやご自身が病気に罹患されていて身体が言うことを聞かなくなったり入院を余儀なくされることでの閉店、最近増えつつあるのが家族の介護のためお店にたてなくなり閉店を決意されるケースです。なかには、厨房機器やエアコンの故障などでお金をかけて修理や買い替えをするかどうかのタイミングでの相談もあります。飲食店のオーナーで厨房に立たれている方からは人材不足を理由に閉店されるケースは少ないように思います。
店舗付属資産売却の相場を知りたい
飲食店ごとに理由は違えども飲食店舗の閉店、明渡しには少なからずお金がかかります。その一番の悩みの種が原状回復工事費です。手元にまとまったお金が無ければ、大家さんに預託している敷金から差し引かれます。飲食店などの賃貸借契約の場合、敷金償却と言って賃料の何か月分はそもそも差し引かれてしまう契約になっていますから、それらを合わせると最悪の場合追加でお金を支払わなければならなくなります。
もしそこで飲食店の附属資産が第三者に売れるのであれば話は180度変わってきます。逆にお金が頂けるのですから期待してしまいます。
このような期待をもって電話をかけて来られる方がほとんどではないでしょうか。なかには数百万円もの高値がつくことがありますがごく一握りの飲食店に限られています。逆に値段を聞いて落胆される方も多いと思います。次のチャプターで値段決定の仕組みを考えます。
飲食店舗付属資産の値段の決まり方とは
飲食店舗の付属資産の価格つまり居抜き店舗の価格はどのようにきまるのでしょうか。
3つの要素があげられます
- 立地
- 賃貸借条件
- 階数
居抜き店舗に値段がつくのには理由があります。その店舗にお金を出す人がそこで飲食店をやりたいと思う場所かどうかです。そこが一番価格を左右するポイントです。つまりオープンから数ヶ月の店舗でも誰もやりたいと思わなければ値段はつきません。逆にオープンから30年以上経っている店舗でも場所が良ければ数百万円もの値段が付きます。つまり居抜き店舗の値段とは物の値段ではなく賃借権の値段と言った方がシックリ来るのではないでしょうか。とは言えいくら良い場所でも小さすぎたり大きすぎたりだとか、家賃が異常に高いような場合は買手がつかないことがあります。
飲食店を居抜き店舗で、最低限注意すべきこと
「飲食店舗を居抜きで買取します」と標ぼうする不動産会社であっても今日、明日といった短時間で結論を出すことは難しいものです。その理由がよく理解されていないように思います。何故ならお店を売りたいと思うご主人とそれを買いたいと思う不動産会社若しくは次にその店舗で飲食店をしたいと考える方の思惑が一致したとしても売買は成立しないからです。そもそも大家さんや不動産を管理する管理会社の承諾が必用だからです。もちろんいい返事ばかりではありません。契約書通り原状回復工事をして出て行って下さいと言われることの方が一般的には多いでしょう。
そのことを踏まえて売買までの流れを説明してくれる不動産会社をパートナーに選びましょう。なかには買取る買取ると言ってインターネットに募集を始め挙句の果てに買い取れませんと断りを入れる不届きな会社があります。どのように交渉を進めどの時点でどういった公開をするのか最初に決めておきましょう。
最低限の情報でとりあえず居抜き物件としての価格を知りたいのであれば下記の4つの情報で見積もってもらいましょう。しつこく住所を訊ねる不動産会社は要注意です。
- 最寄り駅
- 駅から徒歩何分
- 契約面積もしくは席数
- 階数
これで答えられる不動産会社を探しましょう。