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居抜き店舗コラム

居抜き店舗で失敗 その理由とは

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居抜き店舗で失敗 その理由とは

 

最近は大手でも欲しがる居抜き店舗、不動産業界でもこのスタイルが定着しつつあります。

元々は、賃貸借契約にうたわれている原状回復条項に従ってスケルトンにしてしまうと次のお客様が決まりづらいということが始まりでしたが、飲食店舗探しは居抜き物件が当たり前とさえ言われるようになっています。スケルトン状態から工事をする場合に比べ居抜き店舗の場合四分の一か五分の一の金額でオープンできるのですから当然と言えば当然です。

ただ、この居抜き店舗の流通に関しては不動産業界でもガイドラインが作成されておらず物件を扱う不動産会社の経験や理解度に委ねられているのが現実でトラブルになることもあるようです。

今回は、実際に居抜き店舗で開業された方から伺った失敗談をまとめてみました。これから居抜き店舗で開業を考えておられる皆様には参考になる実例ばかりです。

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居抜き店舗で失敗:エピソード1:設備や内装について

それは台東区にある焼肉店の居抜き物件での出来事です。近くに有名な天神があり駅にも近く絶好の居抜き物件です。また設備にお金がかかることやそもそも大家さんから承諾を得づらい業種である焼肉店の居抜き物件は数が少なく人気になることもしばしばです。

さて、賃料が少々高いと感じてはいたものの賃料交渉をすると別の人に取られてしまうと思ったAさんは物件を見たその日のうちに借りたいと申し込みをされました。

話はトントンと進み数日のうちにお金を振り込み契約まで締結とここまでは順調でした。問題が発覚したのは内装工事が終わり消防署に検査を申し入れた時です。

直前まで営業していたお店が、以前にボヤを起こし消防車を呼んでいたことがわかったことと、消防から設備改善の指導が出ていたことの2点です。内容的には、各テーブルの上部に備え付けてある煙を吸い出すダクトに問題があったのです。

火の逆流を防ぐためのダンパーがついていないことやダクト内に脂分が付着しており今後も同様の火災が予想される為取替を含む10項目にも及ぶものでした。びっくりしたAさんは仲介をした不動産会社、居抜き店舗として内装や設備にお金を支払ったお店の前所有者にクレームを入れたのですが、結果は思わしくありません。

前所有者は既に売買代金は借入金の返済にあててしまい返金はむつかしいと言い、仲介をした不動産会社は、店舗の内装や設備のトラブルは宅地建物取引業法の範囲ではないので自分たちに非はないと言う有様です。Aさんは相手方を訴える裁判を起こすのですが家賃は当然発生するので流ちょうなことは言っていられません。結局裁判の結果を待たずにダクトを含む大掛かりな工事を施すのですが大きな出費となり苦しい出発となりました。

居抜き店舗で失敗:エピソード2:飲食店できない地域(用途地域)

大通からちょっと入った、閑静な住宅街を後背地に控えるそのBarは港区にあります。そのお店は2階と3階のメゾネットタイプのお店で、1階からは専用階段があります。夜ともなればあたりはひっそりとして、そのお店の看板が小さくても目立つような場所です。

2階がカウンター、3階はソファなどをおいた個室タイプになっているそのお店は、大通りの家賃に比べ半額で借りられるお手頃価格です。そこを見つけたBさんは、よくこんないい居抜き物件が残っていたなと思いながらもその地で開業することを決め早々に契約を済ませたそうです。昼はカフェ、夜は深夜まで営業するBarを計画していたBさんには場所、サイズ、内装どれも満足いくものだったと言います。

オープンを1週間後に控えたある日、友人のアドバイスもあり所轄の警察署に深夜営業の届を出しに行ったそうです。そこで問題は発覚します。

そのお店がある場所の用途地域(都市計画により営業できる業種を定めたもの)が住居地域であることが警察の指摘で分かったのです。

つまり夜12時を過ぎるとアルコールの提供が出来ない場所だったのです。これに驚いたBさん、不動産会社に問い合わせたところその通りと言われたそうです。確かに契約書には深夜12時以降の営業は出来ないと書いてあるのですが、前のお店も深夜まで営業していたことを聞いていただけに大丈夫だと勝手に判断したようです。黙って営業をするのか12時でお店を閉めるのか悩んだ末、大家さんに事情を話し家賃を少しまけてもらいなんとか営業を開始することに決めたそうです。

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居抜き店舗で失敗:エピソード3:飲食店への周辺理解

長年営業して来たうどん屋さんの居抜き物件が千代田区で出た時の事です。その物件には複数の申込が入ったそうです。大家さんの意向で臭いの強いラーメン店などはNG業種と伝わっていました。結局その物件を射止めたCさんはとんかつをメインとした定食屋さんで夜は居酒屋になるというお店です。契約が終わり内装工事が始まったころに隣地からクレームが入ります。そのクレームについて前の店主から何も聞いていないのかと聞かれたそうです。不動産会社からも前の店主からも何も聞かされていなかっただけに寝耳に水です。一体そのクレームとはなんだったのでしょうか。

実は、前のうどん屋は3階建ての建物の屋上までダクトを立ち上げて近隣に臭いの迷惑が及ばないよう気を配っていたのですが、その気配りが裏目に出ます。

立ち上げたダクトが隣地の土地にはみ出しているのです。大金をかけただけにすぐに越境解消に応じることもできず話し合いは続いたそうです。

その内越境されている側の方が根負けして文句を言ってこなくなったそうです。そのせいかお店を手放す時に何も告げづに今のCさんの手に渡ったと言うことなのです。

お店の経営者が変わったことを工事現場を見て気づいた隣地の方は、今度はCさんにダクトの越境を改善するよう求めて来たそうです。なにも聞かされていないCさんは不動産会社に相談するのですが、ここでもダクトは業法外なので文句は前のお店のご主人に言ってくれの一点張りだったそうです。困ったCさん今でも隣地の方と話し合いが続いているそうです。

 

ちょっとした不具合や使い勝手の悪さなら何とかリカバリーのしようがありますが、保健所、消防署、用途地域、建物用途など行政が関わってくる部分はことによっては飲食店が営業できない場合や追加設備などで多額のお金がかかることがあります。本来は仲介をする不動産会社がちゃんと調べてアドバイスをくれるのですが、居抜き物件の内装や設備にかかわる部分は、工務店など信頼のおける方と一緒に物件をチェックすることをお薦めします。また、本気で物件を借りようと決めた時は、近隣のお宅を訪ねることで無用なトラブルを避けることが出来ます。また、近隣で商売をされているお店を訪ねることで物件の評価や周辺の客層など貴重な情報を聞くことが出来ます。大きな買い物をする訳ですからそこは必ず実行しましょう。借りてしまってからでは手遅れですから。

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居抜き店舗で失敗 その理由をまとめると

 

居抜き店舗のことを知らない不動産会社が通常の住宅のように契約してしまうことです。

一度契約してしまうと取り戻せないことは沢山あります。

まずは居抜き物件について学び、そして専門業者に相談をしましょう。

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