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飲食店の閉店や撤退のサインとは
飲食店の閉店や撤退のサインはいきなりでてくるものではありません。
- 来店客がゼロの日がある
- 人気料理の注文が減る
- 他店より繁盛度が違う
このようなことが積み重なることで、飲食店の資金がまわらなくなり、閉店や撤退につながります。
飲食店を営むオーナーさんは、飲食店の閉店や撤退のサインを素早く感じとり、改善につとめてください。
飲食店 閉店、撤退のサインが出ていることに気付く
長年住んでいる街でも一度も足を運んだことのない飲食店はありませんか。
先日、そんな思いから何故か一度ものれんをくぐったことない「とある蕎麦屋さん」を思い出し行ってみることにしました。
通りからはちょっとだけ入口が引っ込んでいて、よく見ないとそこにお蕎麦屋さんがあることに気が付きません。駅から歩いて3分程の場所ですがその店はその日も営業。
夕方7時頃でしたがお店に入ろうとした瞬間に店内が外から見えて、お客さんが一人もいないことと、多分ご主人であろう方がカウンターで新聞を読んでいました。
とっさにお蕎麦屋さんに入らない決断をし、結局よくいく洋食屋さんで食事を済ませたのです。
似た様な経験、決断をなさった方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
お店の方にとっては普通の事、また常連さんにとっても日常の光景なのでしょう。
ただはじめてお店に入ろうかという場合、それだけでハードルが高い上に飲食店としてお客様を迎える体制にない状態では不安が先にたってしまい、いきおい入店を断念となりかねません。
なにも「新聞を読んでいる」に限った話ではなく
- 入口に背を向けてテレビに見入っていっている
- タバコを吸っている
- 従業員がカウンターに座って厨房の料理人と話し込んでいる
さまざまな原因理由が…
今回は、閉店や撤退につながるサインとは何か、その対処法はあるのか考えて見たいと思います。
ノーゲス
ノーゲスとは
一日お客様にひとりもお客様が来店されないという意味です。
ノーストはノーゲストの略語
ノーゲスについて、オープンの日からそうだったといのなら打つ手も無いのですが、徐々に客足が遠のいてある日からお客様が一人も来店されない日が出始めたというのが一般的。
当然ですがどうしてだろうと考えるものです。
- 天気のせいかな、
- 近くに新しい飲食店が出来たせいかな、
- 不景気のせいかな、
これらをいろいろと理由を考えるのですが、往々にして自分やお店以外に問題があるのではと考えがえてしまいますよね。(実は自分のお店に問題があるのです)
冒頭でお話しした「とある蕎麦屋さん」のようにサービスの低下が招く理由もあるのですが、そのことを割り引いても「美味しい」ということがあればお客様は来店されます。
ほかに理由を求める前にまず次のことを考えてみてください。
ターゲット層のお客様に変化はないか
飲食店は性別や年齢などどこかの層に焦点を合わせてメニューを組み立てるのが一般的です。
ところが街の人の構成は年々変化
- 新興住宅街もファミリーからシニア中心の街にの人の構成が変化
- ビジネスの中心が高層マンションが建ちシングルやご夫婦二人世帯が中心の街に変化
- 工場が無くなりその跡地にタワーマンション群に街が変化
このような変化をとらえ「これまで通りのお店のスタイルでよいのか?」
これほどわかりやすい変化ではなくても、変化し移ろう街に敏感になることが必要です。
もしターゲット層が減っているのであれば新しい層の開拓を考えなければ衰退の一途。
牛丼やうどんが有名なチェーン店がシニア層を開拓する為に始めた海鮮丼があたり新しい客層を増やした事例や、ハンバーガーの大手が子供連れのニーズを掘り起こす為にバギーで通れるよう通路幅を広げたり、サラダメニューを増やしたり、セットメニューの組み合わせが出来るようにしたり数々の取り組みで大きな成果を出しています。
どうように、周辺に増える新たなニーズ、新たな層に向けたサービス、メニューを考えなければなりません。
これまで一番売れている料理は今でもうれているか
顧客層の変化は、お客様の顔を見なくてもわかります。
これまで売れていたメニューが今でも売れているかという検証を行ってください。
もし売りにしてきた看板メニューなどで、売れ行きが落ちているという場合は、お店を利用してくれるお客様のニーズと合わなくなっている可能性が大。
これは立派な閉店、撤退のサインです。
ここは冷静に売れ筋の料理が飽きられている理由を考える必要。
流行を取り入れていたのであれば別の商品に変更すべきですし、構成を変更し、原価率をあげて価格据え置きと言った工夫も必要となります。
なにも変えずに価格だけ変更するというのは避けたいものです。
周辺の飲食店の状況はどうか
同じような業態のお店や客単価が似ている別業態の飲食店など、定期的に調査の為にもお客様として訪ねてみましょう。
いろいろな情報が得られるはず。
- 以前と比べ客の入りはどうか
- メニューは工夫しているか
- 味や接客に工夫していることはあるか
など他店が取り組みをしている部分はナゼそうしているのか考える必要があります。
これらは、新しい顧客層を取り込む工夫やこれまでのリピーターを呼び戻すための工夫ですから、ご自身のお店でも取り入れられるものは積極的に取り入れましょう。
逆にどのお店も活気がなく街全体に活力がないと思えるのであれば、別の場所に移転を考えるのもひとつの考え。
決定的に街の評価が下がる前であれば今のお店を誰かに引き継ぐことも可能ですし、もしそのような場合は移転が出来る体力があるうちに早い移転する決断が大切です。
来店者数の減少か利益の減少か
飲食店という 事業は、利益を出さなければ「長続きしない」のは自明のこと。
ただこの部分に捕らわれすぎるのも考えものです。利益を出さなければいけないから原価率を下げる努力はかえって客離れを引き起こす原因となりかねません。
もしその発想をするのであれば、新しいメニューや季節のメニューで対応し原価率をさげるといいでしょう。
利益は出さなければならないのですが、その前にご理解頂きたいのが固定費の考え方です。
飲食店はノーゲスであっても人件費やお店の家賃などの固定費が発生しています。もしご来店されたお客様で利益が出なくとも固定費の部分がまかなえれば大きく赤字になる事はありません。
この考え方ですすめれば、飲食店が食べ放題のキャンペーンを始めることで一人当たりの利益は落ちますが、来客数が増えることで固定費部分を確保しつつ売上を上げることと同じ発想です。
飲食店は、売り上げの前に来店されるお客様数をどうしたら増やすことが出来るかという観点でサービスやキャンペーンを組み立てる方が経営は安定します。
だから「最初の一杯は無料にする」をマイナスで考えるよりも、これにより来店するお客様の数が増え入店後の注文で十分ばんかい出来ると考えましょう。
売上不振で閉店・撤退する飲食店の共通するサインに気づく
この店サポ内に、「売上不振で閉店する飲食店は5つの共通点がある」というタイトルの記事があります。
- 厨房が汚い
- 壊れた設備を修理せずにいる
- トイレやマットなどに清潔感がない
誰でも見てわかることに気遣いがないことに加え…
- 新しいメニューでお客様を引きつける工夫がない
- 料理のロスや原価管理などのムダを放置している傾向がある
多くの反響をいただいている記事のですが、
逆に言えばそれだけに気をつけていれば飲食店はうまくいくのかということを考えるなかで、
今回のような表面に出ずらい点や指摘されないと気付かない点が閉店、撤退のサインとして考え合わせることが必用です。