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居抜き店舗コラム

飲食店の閉店前に査定を依頼する時に

TeroVesalainen / Pixabay

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飲食店の閉店前に査定を依頼する時に

 

飲食店を経営されている経営者の方やご家族から日々相談が舞い込んでまいります。ある時は相談であったり、ある時は質問であったり内容も様々です。ただ大きく内容を整理してみると飲食店を閉店なさりたい若しくは閉店した後のご相談と今はまだ閉店する予定はないものの後学の為に聞いておきたい質問の大きく2つに分かれます。お話を伺っておりますとどこに疑問を感じてらしたのか何を不安視されているのかが解って参ります。

今回は、飲食店を居抜きで閉店なさりたい、誰かに売りたいとお考えの皆さんが共通して思い悩む内容をQ&A形式で書いてみたいと思います。

飲食店を売却する時に考える居抜きの造作譲渡料

Q1賃貸で借りているだけなのにお店は売れるのですか?

売れます。こちらの質問は内装や厨房機器など飲食店を居抜きの状態で引き継ぐ売買を土地や建物の売買と混同されているところから発せられています。賃貸にせよ自己所有にせよ飲食店がすぐにでも始められる居抜き状態であれば金銭を伴う売買で引き継ぐことは可能ですが、その場合大家さんの承諾が必要です。

その大家さんの承諾とは居抜きで売買をして良いのかというものではなく、飲食店を居抜きでお売りになりたい方からその店舗を買ってそこで飲食店を始めたいと考えている方へ「賃貸借契約の名義を変える承諾をとる」という意味です。いくら本人同士が良くてもお大家さんが認めてくれなければそもそも居抜き店舗の売買は成立しません。

Q2いくらで売れますか?電話で査定してください

電話のお話だけで査定をすることは出来ません。ほとんどの方が、内装や厨房機器を居抜きの状態で売買すると聞いて物の値段であると思っています。確かに古いよりは新しい方が値段は上がりますがそれが本質ではありません。駅からの距離、お店の視認性(人通りの多い場所か、通りから1本入って居るか等)、店舗の形、業種制限や営業時間制限などいくつもの項目を確認させて頂き総合的に判断しています。ですのでお電話でお話しできる査定額は過去の取引事例で平均的なお値段か誤解を招かない為にもお答えしていないというのが一般的です。

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Q3査定のご連絡のタイミングはいつですか?

よくご質問を頂戴するのがご相談を頂くタイミングです。契約書に定めた解約予告を出す前か出した後かということです。結論から申し上げて、解約予告を提出する前にご相談ください。その理由としては、

・解約予告提出後だと管理会社から、契約書通りでお願いしますと言われることが多く、居抜きで造作の売買が出来ないことが多くあります。

・解約予告期間が1ヶ月や2ヶ月と短い場合、仮に解約届を提出したあとで大家さんや管理会社の承諾が得られたとしても造作を買ってくれる方を見つける時間が短くなることがあり、結果時間切れになることがあります。

Q4契約書には原状回復義務条項、譲渡等の禁止条項がありますが大丈夫ですか?

これは大家さんや管理会社と相談してみないと分かりませんが、一般論として認めて頂くケースが大半です。但し、話を切り出すタイミングやその際の話し方など気をつけなければならないポイントがいくつかあり、それらを知らずに話してしまうと承諾の可能性は低くなってしまいます。飲食店の居抜き交渉は経験豊富な会社に任せるのが結果安全ですが、これまでの大家さんや管理会社とのかかわり方、トラブル、滞納の有無など正直にお話し頂かないと思わぬ方向に行ってしまいます。事前によく話し合ってください。

Q5譲渡の金額はどのように決めるのですか?希望は通るのですか?

先程飲食店の譲渡価格は物の値段ではないとお話ししました。これはあくまで一般論で、個別に事情のある場合は調整をしています。例えば、リースやローンの残債があり、造作を売却した金額で清算したいとお考えであればその金額をお聞かせください。出来る限りご負担が残らないよう努力します。

Q6譲渡したお金はどのタイミングでいただけますか?

飲食店の譲渡では、1.契約締結 2.引き渡しという手順を踏みます。例えば、契約から引き渡しまで時間がある場合、契約時に金銭の授受は一般的にはありません。なぜなら、譲渡契約に定められた状態や厨房機器などの物品が全て揃っているか引き渡し時に確認できてから買主がはじめてお金を払うというのが一般的だからです。なかには、契約締結時に金銭の授受を希望される方がいらっしゃいますが通常は難しいとお考え下さい。

Q7複数の不動産会社にいらいしてもいいのですか?

飲食店の居抜き店舗売買を扱う会社は複数あります。それぞれの特徴があり、自社サイトのみで募集をする会社もあればアットホームのような開かれたサイトに掲載する会社もあります。その意味では何社も声をかけることで早く買手が見つかるように思いますが、各社から情報が出ていることはすぐにわかります。その結果情報を見る買い手となるお客様は、出回り物件、つまり売れないから情報が溢れていると思いがちです。また情報を扱う不動産会社も労力をかけて募集しても他社に取られてしまう可能性が高いと思うと力が入らないものです。

最初にお話を伺うのは何社あってもかまわないと思います。ただ実際にお願いするのは1社ないし2社に留めておかれることをお薦めします。

 

ご自身が突然病気になられたり、身内に突然の介護が発生するケースを除けば、焦って解約届を出す必要はないと思います。人手不足や売上不振から閉店を考える際の居抜き造作譲渡はある程度の時間がかかることを覚えておきましょう。まずは契約書をジックリ読み返し契約上の制限や問題点を理解しましょう。また、解約を計画する中で急に大家さんや管理会社に接触を試みるのも不自然です。普段から季節のご挨拶や年に1度くらいは食事にご招待するお付き合いはしておかれるべきです。備えあれば憂いなしです。

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