閉店移転.jp

お問い合わせ

メニュー

居抜き店舗コラム

不動産管理会社が飲食店舗サブリースを認めない理由

geralt / Pixabay

Contents

飲食店舗サブリースとは

飲食店舗サブリースとは、建物の全体ないし一部(一区画)を借上げ、第三者に転貸する賃貸借形態を言います。大家さんはサブリーサー(サブリース事業者)からテナントの入居、空室に関わらず安定して賃料を受取るこができます。サブリースと言えば、不動産会社が物件所有者から建物を一括借上げすることが一般的と思われていますが、飲食店舗のサブリースの場合は一部分つまり飲食店として利用できる部分だけを借上げます。逆に言えば、何十戸もある賃貸マンションをサブリースで借り上げる大手でも1階の店舗部分は借り上げないところがほとんどで、大家さんはここだけ空室リスクを負うことになります。そこに目を付けた不動産会社が店舗部分だけをサブリースすることを思いついたのです。彼らは自社で運営する不動産サイトを持ち常に飲食店を開業したい人達を集めています。また、飲食店に特化しているだけにトラブル解決のノウハウを持ち合わせており通常の管理会社では手に負えないケースでもその実力を発揮します。家賃保証が受けられる大家さんと手のかかる飲食店舗管理物件がサブリーサーの手で運営されることで煩わしいトラブルから解放されると不動産管理会社からも評判がよく、ここ数年話題の契約形態です。

飲食店舗サブリースが増えない理由

飲食店舗サブリース に取り組んでいる会社はどのようにして物件の仕入れを行っているのでしょうか。彼らは、営業中の飲食店経営者からお店を閉店したいという相談や物件管理をしている不動産会社から一般に公開される前の段階で情報を入手しています。しかし情報を入手しただけですんなりサブリース契約に進めるかと言えばそうではありません。いくつかのハードルが待っています。

・転貸(サブリース)は認めない

・造作の売買は認めない

さらに問題なのが大家さんにお伺いをたてる以前に不動産管理会社が自分たちの判断で断りを入れてくることです。その事実をある不動産管理会社はこういいます。

・サブリースを上手く説明できない

・大家さんが理解すると思えない

・自分たちがサブリースを薦めてトラブルになった時に責任がとれない

どれだけ多くの大家さんがこのような管理会社の怠慢で不利益を被っているか想像つきません。

 

なぜ大家さんに嫌われる?飲食店 「居抜き店舗サブリース」が誤解される理由

不動産管理会社が飲食店舗サブリースを認めない本当の理由

不動産管理会社が飲食店舗サブリースを認めない4つの理由を解説していきます。

1.不動産会社がうたう管理契約の中身

飲食店舗サブリーサーは大家さんと直接賃貸借契約を交わします。サブリース先であるテナント(転借人)の選定や入居後のトラブルといったリスクを負う形になります。これは不動産管理会社が大家さんと結ぶリスクを負わない管理委託契約とはまったく異なります。

通常の管理委託契約では万一空室になっ際の賃料保証や入居テナントが賃料滞納を起こしてもその保証は受けられません。日常的なトラブルに関しても、大家さんにいちいち判断を仰いで自分たちで判断しようとしません。要は何かあった時の責任を負わないのが管理委託契約です。

これに対し、店舗サブリース 契約書には大家さんと取り交わした賃貸借契約以上の厳しい内容が書かれています。サブリーサーはテナントからすれば大家さんも同然ですからしっかりと取り決めをしておくことで大家さんに迷惑をかけないよう努めているのです。それでも、空室や滞納、日常的なトラブルは必ず発生します。そのような時でもサブリース会社は自分たちが貸主ですから自らの責任と負担において問題可決をし大家さんには一切ご迷惑をおかけしないというものです。
決定的に異なることがもう一つ。管理委託契約は、管理料や手数料を大家さんから徴収しますが、更新契約や仲介業務以外に極力責任回避する契約形態です。有り体に言えば、特に何もしなくても自動的に入ってくる収入源です。これをサブリース会社に邪魔されたくないと考えるのは無理もありません。

2.更新時や入替え時の手数料が減ってしまうのは困る

不動産業を行ううえで管理物件からの収益の他に、仲介手数料があげられます。この2本の柱があるからこそ小さな不動産会社でも経営が成り立つのです。

しかし、飲食店舗サブリースを行うサブリーサーが物件を賃借することにより事情が変わってきます。サブリーサーは大家さんに家賃保証をする代わりに転貸を認めてもらいます。そうなるとそれまでテナントが入れ替わるたびに入ってきた仲介手数料が入らなくなります。もちろん契約更新時の手数料はこれまで通りですが。つまり、不動産管理を行っている不動産会社はこのようなサブリースが増えることをこころよく思っていないという背景があるのです。結果、不動産会社はサブリーサーに物件を賃借することを嫌うのです。

 

飲食店舗物件の特徴 マンション、オフィス物件との違いとは

3.転貸はトラブルが多いという勘違い

試しにGoogleで「転貸 トラブル」で検索してみました。すると、検索結果上位を占めているのは、『無断転貸』についての記事がほとんどです。一般的な賃貸借契約書には必ず次のような条文が含まれています。

・借家を転貸したりする場合には、貸主の承諾が必要になります。(民法612条1項)
・貸主が承諾をしていないのに借家権を譲渡したり、借家を転貸すれば、無断譲渡・無断転貸となり、借家契約を解除することができます。(民法612条2項)

このこととサブリースの契約形態の転貸が混同されています。つまり契約書で禁止していることを敢えてやろうとしているとなるわけです。

飲食店舗サブリースを行う場合、大家さんの許可を得て転貸をするわけですから無断転貸にはあたりません。また、大家さんの許可なく業種や営業時間を決めることもありません。事前にリーシングの方針をよく打ち合わせた上で、最終的には許可を頂いてテナント(転借人)さんにお入り頂くのです。以前一部の心無い不動産会社がサブリース紛いの事を始めて飲食店舗の事もよくわからずトラブル処理が出来なかったり大家さんに無断でNG業種を入れてしまったりといったことはあったと聞いております。ここはサブリースを行う事業者の経営方針を聞けばすぐに杞憂であることが分かるはずです。
もし、不動産管理会社がサブリースを断る口実として使っているのなら、シッカリと説明責任を果たして頂きたいと思います。

4.飲食店舗サブリースは賃料の減額交渉をしてくる

適正価格であればありません。

住宅や一部の事務所で行われているサブリースは、数十年と言った期間に渡って一括借上げを行う契約です。しかし、バブル崩壊やリーマンショックのような賃料相場の想定外の下落により、不動産会社からの保証賃料の減額交渉が行われることがあります。

店舗サブリースの場合、賃料相場となるのは、店前の通行料や商圏範囲の就業人口数や看板掲載範囲に至るまで、その場所で商売を行う上での評価がそのまま賃料に反映してきます。その為あまり相場を意識する必要はありません。サブリーサーに飲食店としていくらで貸せるのかイメージがあれば、その額以上で借りることは当然しませんし、大家さんにとってもわざわざ価格を下げてまで貸す理由がありません。

賃料の減額交渉を求めてくるサブリーサーは、飲食店舗サブリースの相場を知らないか、もしくは不当に利益を得ようとしているだけです。

サブリーサーと不動産管理会社の関係

これまで飲食店舗サブリース業者と大家さんから店舗不動産を預かる不動産管理会社の関係を利害の相反する者同士の様に語ってきましたが、サブリースが理解されていないという意味ではその通りなのですが、一度理解しあえればとても良好な関係となりますので、このブログをお読みの大家さんには是非ご安心頂きたいと思います。例えば、サブリースで管理会社が失う入れ替え時の仲介手数料を補てんするサブリース会社も存在しますし、入替時のリーシング業務(募集活動)自体を管理会社に一任するケースもあります。そこは共存共栄です。

まとめ

大家さんにとって、飲食店舗サブリースは管理委託契約と比較してもなんら遜色ない内容です。ただ、入居テナント(賃借人)の選定や建物管理に関して口出しをしたい大家さんにとっては、少々面白味のない契約かもしれません。その点でも飲食店舗サブリーサーが入居テナントの開示を積極的に行う会社であればなんの問題もないでしょう。
飲食店舗サブリーサーはすべからく大家さん、管理会社さんと連絡、協力体制をとり双方にとってメリットのある提案が今後も求められることでしょう。

トラブルから考える サブリース のメリット。これで借手も貸手も納得