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居抜き店舗コラム

飲食店閉店 店舗明渡しの注意点

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Contents

飲食店閉店 店舗明渡しの注意点

これまで飲食店を居抜きで手に入れる方向けにブログを書いてきました。今回は、居抜きで飲食店を閉店される方向けに居抜き店舗の明渡しに関する注意点をご説明したいと思います。

 

【お店を閉めたい】飲食店を居抜きのまま閉店する方法とは

 

後継テナント探し

居抜きでお店を明け渡すには次のテナントが決まってないと基本成立しません。大家さんが寛大な人でない限り、契約書に原状回復条項が入っているにも拘わらず、そのままにして出てっていいよとは言いません。通常は契約書通りとなります。ただ、大家さんにとっても今のテナントが解約した後すぐに次のテナントが決まる保証はなく、家賃が途切れるリスクがあります。そこで居抜きで明け渡す了解を大家さんから得るために大家さんにとって家賃の途切れるリスクがないよう次のテナントが決まってからお願いに上るというのが最善策なのです。

ではどのように探せばよいのでしょうか。

料理仲間に依頼する

意外と近道なのが昔からの料理仲間に依頼することです。多店舗展開を考えている経営者の方や長年お店をやっていて物件の依頼をされているという方によくお会いします。ここは思い切って相談してみましょう。但し、中には不動産会社に情報を流して、成約後にマージンをもらおうと考える方もいらっしゃいます。相談する際に、不動産会社には話をしないよう釘を刺しておきましょう。

酒屋、食材卸に相談する

最近ご家庭にも少量の配達に応じる大手の酒屋さんから物件の紹介依頼が来ることがあります。お得意様から増店の依頼を受けて物件探しの手伝いをしているのです。お店が増えればその分お酒が売れるからです。タイミングが合えば、次のテナントに巡り合うことが出来るかもしれません。閉店をするまでに時間があるようなら3ヶ月程は待った方が良いでしょう。お願いした方がちゃんとテナント探しをしてくれているならそれぐらいの期間待てば候補は出てくるものです。その為にも2週間に一度ぐらいは活動報告を入れてもらうようにしましょう。

不動産会社に相談する

閉店まで時間の無い方にはやはり不動産会社をお薦めします。WEBで検索すれば複数の居抜き専門をうたう不動産会社が出てきます。まず気を付けたいのが、サイト上で高く売れる、儲かると言った言葉が並ぶ会社は避けた方が無難です。なぜなら不動産手数料は法律で定められた金額しか取れません、居抜き店舗資産(内装、厨房機器等)を高く売ると言っても限界があります。そうなると彼らの給与体系にしわ寄せが行きます。物件契約が成立するごとに給料がもらえる歩合制の場合が多くあまり不動産の経験がない割に早く契約を終わらせようとするため、トラブルになりがちです。

また、ここなら大丈夫そうだと見当をつけた会社でもすぐに依頼をするのではなく、どのような手順で進めてくれるのか、不動産会社に対する報酬額はどうなっているのかヒアリングしましょう。電話をした時点でちゃんと説明応対が出来ないようならその会社は避けた方が無難です。きっと彼らは今すぐお店に説明に伺いますから住所を教えてくださいというでしょう。

何社かに電話で説明を聞いた上でここはと思う会社に依頼をすればいいでしょう。

 

【保存版】 飲食店舗閉店の実務 ~ 届出 と 手続き ~

 

明渡し準備

明渡し時期について

ご自身の希望がまず最優先ですが、次にお店を引き継いでくれる方が例えば今の職場を辞めるタイミングなどがあって、上手く合わない場合が往々にしてあります。そんな時はお店を譲る側で調整する方がスムーズに話は進みます。ここ重要なのが、意思決定をするタイミングです。折角現れた次のテナント候補も、引き継ぎの時期などの返事があまり遅くなると気持ちが冷めてお断りをしてくることがあります。いろいろと交渉があるかもしれませんが、早め早めに回答をすることが重要です。

 

明渡しの状態

食器・カトラリー

次のテナントが同じ業態で引き継いでくれるなら、お皿やコップ、カトラリーなんかも一緒に引き継いでくれます。ここは何が必要か聞いてみましょう。もし全部置いて行ってくれと望まれるのならそうすればいいでしょうし、中には大切にしている食器や包丁などの調理器具があるでしょうから持って行くものはハッキリ伝えましょう。

逆に全く異なる業種の場合で全ていりませんと言われた場どのように対処ルればいいでしょうか。これはお譲りになる側で廃棄するのがルールとされています。但し、テーブルや椅子が古いので捨てて欲しいというリクエストには答える必要がありません。あくまでの飲食店舗に付帯する資産を譲り受けたことになりますから、食器やカトラリーとは話が違います。

食材・調味料・酒類

基本すべて譲る側で撤去です。居抜き店舗の現場で、これらを残してほしいという方にお会いしたことがありません。もし酒だけでもということはあるかもしれませんが、酒は納品した酒屋が買い取ってくれるはずです。少しでもお金に替えましょう。

 

厨房機器

居抜きで飲食店を譲る場合でも、購入して間もない厨房機器は、それだけを単体で売って残るお金を増やしたいと思いがちです。無償で次のテナントに譲るのならまだしも、店舗資産の売却を考える方にとってはちょっと考えものです。お店を買ってくれる方は、直ぐにお店がオープンできるからとか一通り道具が揃っているからという理由でお金を出すわけですが、例えば製氷機がないとか大型冷凍冷蔵庫がないとかというと余分にお金がかかってしまいます。当然その分の値引き交渉が入ると思ってください。

それよりも、中古の厨房機器は思ったほど値段がつかないのと、お店から店外に出して運搬するコストが高くつく分手元に残るお金はかなり少なくなります。まとめて居抜き店舗としてお売りした方が高く売れると思います。但し、別格なのが券売機です。非常に中古の券売機は人気が高いので高額で売れるようです。券売機だけは除外してくださいとお願いされることは正直多いです。

掃除・クリーニング

まず冷蔵庫の庫内を空にした状態でなかの拭き掃除をしましょう。ここで重要なポイントがあります。決して電源を落とさないことです。これには二つの理由があります。

1.カビの発生予防です。夏場に冷蔵庫の電源を切ったせいで庫内がカビだらけになり悪臭の発生も招き使用できなくなるトラブルがあります。

2.冷蔵庫は基本一度電源を入れたらスイッチを落とすことは基本ありません。長年トラブルなく使ってきた冷蔵庫にも、庫内の温度を下げる冷媒ガスの中に塵やゴミが一緒になって冷媒管の中を巡っています。これが電源を落とすことで一旦冷媒管の中に堆積し、再び電源を入れガスが回り始めた時に詰りの原因となってしまうのです。

次にグリストラップ内です。毎日こまめに掃除されているのなら心配入りませんが、中には数ヶ月そのままで切りカスや残飯が油と共にヘドロと化していることがあります。こうなると専門業者を頼んで3万円~5万円程取られてしまいます。最低限ここは譲る側の責任においてきれいにしましょう。

また、清掃はどこまでやればいいのか判断基準を教えて欲しいと聞かれることがあります。これは難しいのですが、掃除をしたことが明らかにわかる程度で専門のクリーニング業者が行うレベルを求めているのではないということです。例えば、カウンターやテーブルは拭き掃除でいいでしょう。床は掃き掃除のあとモップ掛けで目立つ汚れがある場所だけ別途薬剤を使って綺麗にしましょう。一番目立つのが厨房周りの壁に貼られたステンレスや厨房機器の扉です。大抵の汚れは業務用の洗剤で綺麗になりますが、しつこい汚れはスクレイパーの様なヘラで根気よく落とすことです。

最後にゴミを店外に出して完了です。

 

今まで自分の城として活躍してくれたお店だけに思い入れはひとしおだと思います。本来は原状回復工事をして元に戻すべきところ、志を継いでくださる方が現れたからこそその使命を永らえる訳ですから、気持ちを込めて整理、清掃をして次の方に引き継がれることを望みます。これは環境的にも不要なゴミを抑えてリユースするところに大きな意味があります。居抜き店舗、居抜き不動産とは時代の要請にかなった商品なのです。

 

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