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居抜き店舗コラム

飲食店の閉店理由「人材不足」3つの具体例から見る転落の顛末とは

飲食店-人材-人出-不足
Qogwarp @ Pixabay

 

帝国データバンクが行った人材不足に関するアンケートを、すべての業種で行ったところ「飲食店」における不足感が64.9%に上り一位となっています。

出典:帝国データバンク

 

最大の悩みを聞かれると、6割の人が募集をしても応募が無いことをあげ、広告費用ばかりがかさむ現実が明らかになっています。

ここ最近寄せられる飲食店の閉店に関する相談で「人」が問題となった3つの具体例を検証してみたいと思います。

 

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Contents

1.新宿区の中華料理店が「開店前」に閉店

歌舞伎町にほど近い場所で1件の飲食店物件が募集に出されました。予てよりこの場所でインバウンドを見込んだ中華料理店をオープンさせたいと計画していたNさんは迷わず申込を入れ幸い物件を手にすることが出来ました。

meguraw645 / Pixabay

 

準備をしていたとはいえ急に現われた物件を1週間のうちに契約までこぎつけました。

次は人の手配が急務となります。幸い物件はスケルトンからの工事ということもあり1ヶ月程の工事期間があります。

その間に中国からシェフを呼び寄せ早速スタートとなるはずでしたが、2つの誤算が生じたのは工事が後半にさしかかる頃でした。

1つ目の誤算:開業資金

パートナーの資金不足です。工事費を全額負担する約束になっていたNさんのパートナーCさんは、中国本国から思うように資金を移動できなくなっていました。その為急きょNさんが資金を用立てることになったそうです。

2つ目の誤算:シェフ

来日するはずだったシェフの存在です。日本でお店が見つかればすぐに来日する約束をしていたのですが、いつその時が訪れるのか分からない為、本国で働かないで待っている訳にもいかず、とある中華料理店に就職していたのです。

そのシェフは、折からの高級レストランブームで人材不足とも言われている中国で非常に高い処遇を受けたそうです。

その為来日する約束は反故にされ、シェフが不在のままお店はオープンの日を迎えることになったのです。

開店できない閉店したままの飲食店

もともと来日予定だったシェフだからこそ出せる味のお店としてメニューを考えていた為代わりのシェフという訳にはいかないところを、別のシェフで2ヶ月程お店を続けたそうです。

予想通り、売上も上がらずNさんは閉店することを視野に入れ、お店は閉店したまま家賃だけが出て行く日々を送られています。

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2.杉並区 和風バルが「繁盛店」なのに閉店

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フランチャイズ契約を結びスタートしたその飲食店は、立地にも恵まれ毎日盛況な日々を送っていました。しかしご主人Yさんを悩ませる問題が1つあります。人材不足です。

繁盛店である飲食店の誤算

こちらのお店は駅からほど近い場所にあり和風の甘味なども出す昼は和風カフェとして営業し夜は和風のバルとして営業されています。

店内も30席程あり最低でもホールは2人体制でないとさばき切れないサイズです。

フランチャイズだけにいろいろとマニュアル化されてはいるものの、人の手配まではしてくれないようです。

求人雑誌に広告は出すものの応募が全くなかったといいます。アルバイトが来ればお店はなんとか切り盛りできると考えていたYさん、その考えがあまかったことを痛感する事態となります。

厳しい教育で人材離れに

これまで飲食店で働くことはあっても人に指示をして働かせるという立場にいなかったためどのように指導していいのか分からずつい厳しく接してしまうことがあったそうです。

当然ですが、やっと来てくれたアルバイトはすぐ辞めてしまいまた新しいアルバイトに仕事をイチから教えなければなりません。

飲食店で大切なのは人材

そして分かったのが、一定規模以上の飲食店は、料理が美味しいだけではやっていけない、ちゃんと客席と調理場の間を取り仕切ってくれる仕事の分かる「人材」が必用なのだということを。

お客様が来られる繁盛店での思わぬ閉店理由を聞くことになったのでした。

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3.豊島区 英国キッチンが「人気で大盛況」なのに閉店

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オープンして5年程になるイギリスの一般家庭で食べられている料理を忠実に再現したそのお店は、ご夫婦で経営して来られました。

通りから一本入った佇まいはわずかにユニオンジャックの国旗が掲げてあるぐらいで、みたところ喫茶店にしか見えないのですが、大使館の職員や大手のデパートからも注文が来るほどの盛況ぶりでいずれはさらに大きな店舗に引っ越したいと考えていたそうです。

突然訪れる病魔

ところが、問題が起きます。主に料理を作られるイギリス人のご主人が病にかかり本国で治療することになったのです。

さて、残された奥様はお店の閉店を決意され現在大急ぎで整理を始めている最中とのことです。お話を伺う中で、どなたか信頼の出来る方に一旦お店を任してみてはどうかと提案をしたのですが、味を落とすことが出来ないという理由にくわえ、ご主人の容態からすぐに日本へ戻ることは難しいとの理由から閉店を判断をしたといいます。

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突然の病気、繁盛店であるこの飲食店に対して奥様は苦労してここまでお店を育てきました。

さあこれからという時だっただけに非常に落胆しておられました。

 

飲食店の閉店 理由は「人材不足」という現実を知る

労働力調査における2002年から2016年のパートとアルバイトの人数(年平均)の推移を見ると、パートの人数は2016年平均で988万人、2002年平均が718万人です。対02年比で40%弱の伸び率を示しています。

一方、アルバイトの人数は2016年平均で415万人。2002年平均が336万人です。対02年比で24%の伸び率です。いずれも増加していますが、パートの伸びがアルバイトを大きく上回っているのが解ります。

働き方が変化して来たとはいえ、時短や自分の都合にマッチする働き方が今後も増えていきそうな予感がします。冒頭に書きました飲食業界の人材不足、人手不足感は今後も続きそうです。

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