飲食店で宴会シーズンとなると必ず話題に上るのが無断キャンセルの話題です。何年か前に有名大学のサークルが数十人単位の予約を断りもなしにすっぽかしたことがありました。
すっぽかされた飲食店の店長がTwitter上にこれから警察に行って被害届を出しますと投稿した件はあまりにも有名です。
また、別の飲食店でキャンセルをされたお店が、用意していた料理の写真をSNS上に投稿し「格安で提供します食べに来てください」と訴えるのもありました。
こういった無断キャンセルは、ノーショウとも言いますがコロナの時代に入り実態として増えているのか減っているのかよくわかりませんが一定数存在することは確かなようです。
今回は、ノーショウ、無断キャンセルが起きるお客様心理をひも解きながら、被害を受けない為の工夫に迫ります。
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無断キャンセルと出前文化の関係
日本の出前文化の特徴は、出前の後に器を取りに再びお客様の元へ行くと言うものです。海外でも日本以上に出前つまりケータリングが盛んな国は数多くあります。
但しほとんどの国が使い捨ての容器なのに対し日本はなぜか陶器やプラスチック製の容器を使用し後日その容器を取りに伺うと言う二度手間(人件費)をかけています。
どうしてそんなコストをかけてまで容器の回収に行くのか疑問でした。
そこには、和食文化が皿や器などで食べ物を引き立たせる文化であったことが大きな理由のようです。だから使い捨て容器では和食は成立しないものだったのです。
さて、料理を専用の器に入れお客様のもとへ届け、料理と引き換えに料金を回収するのが一般的な出前のスタイルです。
このスタイルで運ばれた料理をキャンセルしたり居留守を使うと言うのは考えづらいでしょう。何故なら、お店の方に自分の生活拠点や職場が分かっているからです。
だからこそ、飲食店にとってはそのことが抑止力となりキャンセルなど滅多にどころか、まず起らない為高額な出前や冠婚葬祭の仕出し弁当などを信用だけで提供してきたのです。
ところがインターネットやスマートフォンが普及してきた今その信用は大きく揺らぐことになります。
無断キャンセル、ネット環境とグルメサイトの功罪
皆さんが飲食店を予約する際、どのような手段をもちいているでしょうか。昔ながらの電話による予約もあればFAXでの予約というのもあります。でも最近はグルメサイトからメールか専用電話での予約というのが多いのではないでしょうか。
例えば電話の場合、お店が開いている時間で忙しい時間帯を避けて電話しないと繋がらないというフラストレーションがあります。それに比べネットでの予約は24時間可能ですし、お店の方とコミュニケーションをとる必要もありません。予約の確認も後日出来ますし非常に便利になっています。
ところがこのことがノーショウと呼ばれる無断キャンセルの温床になっていると言われています。前段の出前と違い予約した側の生活情報が飲食店側にはなにも分からない状況です。
いくらメールアドレスや携帯電話の番号が晒されていようと個人を特定するのは困難であろうと利用者側つまりお客様が考えているからです。
結果、キャンセルの抑止力が低下し、無断キャンセルに対する罪の意識が生まれにくくなっているといえるでしょう。
これまでお互いの生活情報が抑止力となっていた時代飲食店は性善説に基づいて営業をしていたことになります。しかしその抑止力が希薄になった今、飲食店はこれまでの性善説からお客様の無断キャンセルから身を守る性悪説に切り替えて行かなければならない時代に入っています。
飲食店の無断キャンセルへの取り組み
最近無断キャンセルに関してある傾向が分かってきたと言います。一度でも無断キャンセルをした人はまた同じように無断キャンセルを重ねる傾向にあると言うのです。誰しもが無断キャンセルをやってしまう因子を持っていると言うのではなく、無断キャンセルの因子を持つ人だけが繰り返し起こしているようなのです。
ここに着目したサービスが始まっています。「CTI」という顧客情報管理システムが無断キャンセル、ノーショウの情報を蓄積しているのです。具体的には以下の通りです。
このCTIサービスは、各事業所毎にかかってきた電話が誰からかかって来たのかPCと連動して瞬時に分かる仕組みを提供する物です。便利な反面、設備にお金がかかることと事業所間での情報共有がスムーズにできないと言う欠点がありました。
最近になってこのシステムをクラウド上におき各社で情報の共有が出来るようになったのです。これにより何が起こって来たのかと言うと、一度でも無断キャンセル、ノーショウをした電話番号は瞬く間に加盟する飲食店に共有され、仮にその番号から電話がかかってきたとすれば、画面に「ノーショウ様」と表示される仕組みなのです。
この場合、個人を特定する名前や住所が出る訳ではないのですが、飲食店側からすれば、その電話には出ないか若しくは予約をお断りすることが可能となります。
また、一部のグルメサイトで始めている無断キャンセル保証ようなサービスも今後広く共有されることと予想されます。飲食店にとっては朗報となり、この事実が広く浸透すれば、以前の出前の時と同様に抑止力となります。
~まとめ~
実際にユーザーとして忘年会の会場を予約しようとグルメサイトで探し始めたところ各飲食店舗毎に自衛策をとり始めていることを実感しました。
- 連絡無しに予約時間を30分以上過ぎた場合はキャンセルとする
- 予約日の前日に飲食店から確認の電話を入れ、確認が取れてはじめて予約確定
- 9名以上の予約はネットではなく必ず電話で行う
- 会社単位での予約は会社名、代表電話を伝える
試しに馴染みの飲食店をネットで予約しようとしたのですが希望の日は既に予約が取れませんという表示になり慌てて電話を入れました。するとすべてをネットからの予約で埋めるのではなく、馴染みのお客様用に電話予約枠を設けていると言うことを話していました。どちらのお店もまだまだ試行錯誤を繰り返しているようです。
今後性悪説とネットが今以上に強く繋がれば、不利益を被るのは長い目で見て飲食店ではなく、無断キャンセルを繰り返す利用者です。その理由は、どこのお店も予約できなくなることの方がダメージが大きいと考えられるからです。
すべてのグルメサイト、全てのグルメサイト登録飲食店がクラウド上で連携すれば早晩無断キャンセルが無くなる方向に収斂されるとと思います。
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