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居抜き店舗コラム

ウイズコロナで飲食店の「倒産」件数からみえてくることとは

飲食店-倒産-廃業
PhotoMIX-Company @ Pixabay

 

2021年1月調査会社が発表した2020年外食産業における倒産動向調査が公開されました。

今回のデータは飲食業界で法的整理かつ負債1,000万円以上が対象となります。従業員10名以下の飲食店の動向とはやや異なりますが、飲食に関わる傾向として読み砕きながら参考にしていきたいと思います。

 

Contents

飲食店「休廃業・解散」と「倒産」の違いは?

まず休廃業・解散と倒産という二つの違いを整理します。そもそも休廃業・解散とは自主的に活動を休止した企業のことで任意や法的整理による倒産とは区別されたものです

さて、飲食店の倒産件数は2008年のリーマンショックの翌年に646件と2000年以降の最多件数を記録しました。

その後は2011年の688件をピークに徐々に減るのですが、2017年以降また増加に転じています。そしてコロナウイルスによる感染防止対策、緊急実宣言など飲食業界に逆風が吹き荒れた20202年は780件と過去最高を記録したのです。

参考文献:帝国データバンク

 

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飲食店の業態別倒産動向

2020年の飲食店の倒産業種ワーストは?

酒場・ビヤホールの休廃業比率が全業種の中で一番高く24%以上を占めています。

この酒場・ビヤホールには主として酒類及び料理をその場所で飲食させる事業所をさします。
馴染みの深いところでは、大衆酒場、居酒屋、焼鳥屋、おでん屋、もつ焼屋、ダイニングバー、ビヤホールなどが含まれます。まさに、日本人がアフター5に慣れ親しんだ業種なのです。

2番目に中華・東洋料理が13.5%で続きます。
もともと倒産の割合が以前から高かったジャンルですが、日本に出稼ぎに来ていたネパールや中国からの料理人がコロナを境に本国に帰ってしまった影響もあるようです。

3番目に西洋料理12.8%となっています。
比較的客単価が高い業種に倒産が見受けられます。

 

倒産の少ない飲食店業態は

逆に倒産の少ない業態で言えば、そば・うどん店の2.3%、料亭の1.2%となっています。

2020年の飲食業界で印象的だったのは、酒を提供するお店が時間短縮営業を強いられたのに対し、回転すしや焼肉といった食事系の飲食店は比較的影響が軽微だったことにあります。その流れで行けばそば・うどん店の倒産件数の少なさは頷けるのですが、料亭の倒産件数の少なさには驚かされます。中小の料亭では、給付金とコロナ融資でこの難局を耐え忍んでいる姿が予想できます。裏を返せば、正常に戻った時が正念場かもしれません。

 

飲食店の負債額別 倒産業数

次に飲食店が抱える負債額別に倒産件数を見てみましょう。

79.5%と負債額が5,000万円以下の借り入れが圧倒的に多数を占めています。なんだやっぱりかと思われるかもしれませんが、2015年以降では一番少ない数字です。

 

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飲食店 業種別の損益分岐点比率からみえること

業種により損益分岐点が異なります。

つまりいくら売上がないと利益が出ないかを知る為の物なのですが、この金額を実際の売上額で割って100を乗じたものが損益分岐点比率と呼ばれるものです。

何が分かるのかというと、この数字が小さいほど利益が出やすい業種であるということなのです。

 損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100

日本政策金融公庫が出している「黒字を出している飲食店の平均」が以下の通りです。

そば・うどん ・・・ 95.8%

喫茶店    ・・・ 96.2%

お好み焼き  ・・・ 96.3%

すし店    ・・・ 97.3%

日本料理   ・・・ 97.9%

韓国料理   ・・・ 97.8%

中華料理   ・・・ 98.8%

西洋料理   ・・・100.1%

飲食店の規模により売上高が異なりますが、

例えば年間2,000万円の売上があったと仮定すると、それぞれの業種で利益として残る金額が出てきます。

そば・うどん ・・・ 840,000円

喫茶店    ・・・ 760,000円

となります。以下は同様です。

少し前にカフェ、喫茶店がブームになったのは利益の出やすさで支持されていたようです。

各チェーン店が出店にしのぎを削るのがよく分かります。

逆にパーセンテージが高くなるほど利益が出しづらいのかチェーン店化されない業種というのはそういう理由にあったのかと気づかされます。

 

タピオカミルクブームの前、ステーキが流行ったかと思えば、ローストビーフ人気やパンケーキ人気などもありました。

ここ数年飲食業界の流行はあまり長続きしない傾向にあるように感じます。

ただ、競合するライバルを研究し差別化が出来る飲食店舗は必ず生き残っていくはずです。

例えば、コンビニのドーナッツに対抗して目の前で作って見せるドーナツ店だったり、早さを競うのではなく注文が入ってからジックリ作るハンバーガーショップの逆転の発想であったり、串の値段をとことん抑えて値段以上の味を出す焼き鳥チェーンだったりと何かで他店と違う価値を出せるかが差別化の肝になります。

その価値に対してお客様は評価をし、お金を払ってくれることでしょう。

 

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