閉店移転.jp

お問い合わせ

メニュー

居抜き店舗コラム

【飲食店閉店】造作譲渡不可の大家さん対策はこれで万全

TeeFarm / Pixabay

 

Contents

飲食店閉店 造作譲渡不可の大家さん対策はこれで万全

飲食店を閉める理由で1番多いのは売上不振と人材不足、次に病気や怪我、高齢になっての引退等。拡大移転などの前向きな理由もありますが、大半は不本意な閉店がほとんどです。

なかでも売上不振での閉店の場合、さらに追い打ちをかけるのが原状回復工事です。(スケルトン状態に戻す)避けられるものなら誰しも同じことを思うでしょう。

最近でこそ「居抜き店舗」や「造作売買」という言葉が増えましたが、スケルトンに戻して返さなければならないケース方が多くあります。

今回は実際にあった事例の中で、大家さん側の立場から考えて、万一お店を閉める際に造作売買ができる確率を上げる対応策をお伝えしていきたいと思います。少しでも参考になれば幸いです。
[blogcard url=”https://misesapo.jp/archives/2434″]

↑こちらの記事もご覧ください。

 

造作譲渡は認めない!大家さんの想いとは

まず契約書通りスケルトンにして返して欲しいという良くあるパターンですが、大家さんも十人十色、様々な理由が存在します。

①トラブルの種を残したくない

トラブルの種とはなんのことでしょうか。例えば内装工事、給排水設備が引き継がれることで、後々不具合が発生した際責任の所在を心配されます。また、造作譲渡の売買がされることで、借り手側に物権のような強い権利が生まれるのではないかと心配される方もいらっしゃいます。

長年営業されてきた飲食店では給排水、電気系統等のインフラが心配なので、スケルトンにして調査をしたいという方もいらっしゃいます。

この場合対応策としては、大家さんにデメリットが少ないことをちゃんと説明し、リスクもないということを理解して頂く必要があります。例えばきちんと仲介会社を介して契約し、内装造作物の瑕疵担保責任は大家さんは負わないということを強調する文言を入れたり、原状回復(スケルトンにする)義務は新テナントが引き継ぐ等、契約書面に明記するということは非常に有効です。

もし給排水等の設備に関しては、造作物があるときちんと調査できないためやっかいな問題ですが、老朽化している可能性のある現状設備は使用せず、次に入居するテナント負担で新設するという条件であれば納得してもらえることがほとんどです。(露出で引き直せば費用もそこまでかかりません)

飲食店居抜き店舗の引き渡しでよくあるトラブルとその予防策

②次のテナントは飲食店舗お断り

こちらも良くあります。近隣や同ビル内からクレームがあった場合や使い方があまりキレイでなかったケースです。

軽飲食、重飲食という言葉がありますが、いわゆる重飲食を嫌がる大家さんはたくさんいらっしゃいます。中華料理や焼肉店等どうしてもニオイやケムリ、油の出る業種です。借りる側としては、開業時の工事はなるべく安く抑えたいものですが、周りの方やビル自体への配慮はとても重要です。

これに関しては、ダクトの処理や臭い対策などシッカリと大家さんにご理解頂く必要がありますので、プレゼン用の資料が必須となります。また、万一クレームがあった際には誠意を持って対応するということを口頭ではなく書面で約束しましょう。もちろんですが共有部や店舗内外を汚したり、散らかしたりしないと宣言しましょう。

③とにかく契約書通りにして欲しい

特に理由はなく、契約書通りにすることは当然、と思ってらっしゃる大家さんは結構いらっしゃいます。よくよく話を聞いていくと上記のような理由に行き着く場合もあるのですが、大家さんのメリットデメリットは関係なく、ただ契約書に書いてあることを粛々と実行して欲しいという方もいらっしゃいます。粘り強く交渉するしかありません。悪い思い込みや勘違いの場合もあり一番厄介な理由です。

飲食店 居抜き店舗に必ずある「造作譲渡料」の正体【業界人が語る】

後継テナントが決まらない

例えば解約の予告期間内、つまり大家さんに家賃が入る間は居抜きを前提に募集しても良いということがあります。ただ、後継テナントが決まらない時はスケルトンにしなさいという場合です。決まらない理由は様々です。そもそも立地や建物の形状等ではなく、大家さんの都合により決まらないのは下記の場合です。

①賃貸条件が高い

家賃や保証金など、借りる上での賃貸条件が相場よりも高いケース。貸す側の立場に立つともちろん条件は高いに越したことはありません。解約予告期間内は家賃も途切れないので、大家さんも借り手がつけばラッキーぐらいの価格設定にすることは当然あります。

大家さんの考え方にもよるので難しいところですが、仲介する不動産会社に相場観があり適切な提案ができるかどうかが重要になってきます。

また、造作を売るのであれば賃貸条件は下げないという場合もあります。要するに造作売買の値段がついていることによって、物件が決まりにくいのではないかと逆に思われるということです。確かにスケルトンが前提の賃貸借契約ですので、大家さんからすると造作が売れないから賃貸条件を下げて欲しいというのはかなり違和感があります。

その場合は、居抜きでの引き継ぎのみ許可をもらっておけば、あえて「売る」と言わずにおいた方が意外にうまくいく場合もあります。

 

③その他、様々な制約事項

賃貸条件だけではありません。業種の制限が厳しかったり(先の軽飲食のみ等)、外観のデザインや看板の掲出制限が厳しかったり、営業時間の制限等もあります。1つ1つ大家さんが気にされていることを理解し、大家さんの目線で解決策を提案していく他ありません。

 

大家さんが嫌がらせ?

非常にレアなケースですが、大家さんとテナントの関係性が悪く、テナントの利益になることは一切認めたくないという方がいらっしゃいます。スケルトンになり、次の借り手がつかなくても構わないとまで仰います。

こちらは極端なケースですが、好き嫌いで何かあったときに上手くいくいかないが決まることは良くあります。大家さんも人間です。少なくとも嫌われて良いことはなにもないと思いますので、お互いに誠意を持って良い関係でいたいものです。
[blogcard url=”https://misesapo.jp/archives/8783″]

↑こちらの記事もご覧ください。